花粉症の治療、病院ではどんなことをするの?

毎年、春の気配を感じるようになると、気になってくるのが花粉症。鼻がグズグズ、目もむず痒い・・・そんなつらい花粉症の症状は早目の治療で軽減することが出来ます。では、病院での治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

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花粉症対策でよくならない時は治療が必要です

花粉症は原因となる植物によって1年を通してありますが、代表的なスギ花粉による花粉症は花粉症全体の約8割にものぼり、春は多くの方がマスクや花粉対策メガネを付けて歩いています。

マスクやメガネ、そして日常生活の見直しや食生活の改善など花粉症の対処療法で花粉症の症状が抑えられればいいのですが、花粉症は花粉飛散数によって症状が軽減したり悪化したりするため、去年は軽かったからと安心していると、今年は症状が酷くて生活に影響が出ているという場合もあるようです。

花粉症の治療は薬局やドラッグストアで市販薬を購入して使用する、医療機関を受診して処方薬を使う、注射やレーザーによる治療を受けるといった種類があります。

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬による治療

一般的な花粉症の治療は、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の服用でしょう。これらは即効性が期待できるものから、効果が現れるまでに2~3週間かかる薬もあり、種類によっては花粉飛散前から服用しなければ充分な効果が発揮できませんので、注意書きを良く読んで使うようにしましょう。

市販されている薬のほとんどは抗ヒスタミン剤で、鼻水や鼻づまりといった花粉症の症状を起こすヒスタミンを抑える働きがあります。抗ヒスタミン剤は副作用として眠気が起きることがありますから、車の運転や機械の操作をする方は注意が必要です。

市販薬を2週間程度飲み続けても効果が現れない場合には、医療機関を受診して診察を受けた上で、個人に合う薬を処方してもらった方がいいでしょう。

鼻の症状が強ければ耳鼻科を、目の症状が強ければ眼科を受診します。内服薬の他に、点鼻薬や点眼薬がありますので、内服薬と併用して使うのもいいでしょう。

重度の花粉症の治療

内服薬や点鼻薬・点眼薬を使用しても症状が楽にならない、花粉症が重症化している場合には、ステロイド剤の使用やレーザー治療、減感作療法があります。

ステロイドは効果が高いが副作用も心配

ステロイド薬には内服薬や点鼻薬、注射がありますが、鼻部分の症状が強い場合にはステロイド配合の点鼻薬が効果が高く副作用も少ないとされています。内服薬や注射の場合にはステロイドの働きが全身に及ぶため、副作用の危険性もありますから、医師と充分に相談した上で使用するようにしましょう。

鼻の症状にはレーザー治療が効果的

最近花粉症治療として注目されているのが、レーザー治療です。レーザー治療では鼻の粘膜にレーザーを照射して粘膜を変化させることで、花粉症の症状を起こすヒスタミンを感じる知覚神経を麻痺させます。

これにより花粉症の症状がかなり楽になりますが、粘膜は自然と回復してしまうため、1~3年程度で効果がなくなり、再度レーザー治療をする必要があります。

減感作両方は根本的治療

レーザー治療と共に注目を集めている治療法に減感作療法があります。これは、花粉症の原因となる花粉の種類を特定し、その花粉のエキスを注射することで、体を徐々に慣れさせていくという治療法です。

他の治療が対処療法であるのに対して、減感作療法は根本的治療に最も近いといえるでしょう。ただし、減感作療法は個人差があり、長期間にわたっての治療が必要で、治療期間中は注射を打つために通院しなければいけません。

薬の服用を避けた方がいい方もいます

このように、薬による花粉症治療は効果が優れているものの副作用の心配や、処方薬を使う場合には医療機関を受診して診察を受けなければいけません。また、妊婦さんや他に持病がある方は薬の服用に注意が必要ですから、医師に相談するようにして下さい。

薬に頼らない花粉症対策として、日常生活を工夫したり、食生活を見直すなどといった「花粉を避ける」「花粉に負けない」対策を積極的に行い、必要に応じて薬による治療を加えるとよいでしょう。

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